第I部の「基礎事項の復習」が終わり,ここから第II部「微分と基本的な関数」になる.
第3章では,微分の直観的な定義に始まり,和・積・商の微分,合成関数の微分,高次導関数と,一通りの微分計算の方法が出てくる(逆関数の微分は第7章に後回し).
最後に,物体の速度やプールの体積変化といった現実の問題への適用にも触れる.
補充問題も多数あり,かなりのボリュームになる.
§1 曲線の傾き
§1ではまず,曲線の傾きや接線を平均変化率の極限としてとらえる考え方を,図を使いながら直観的に説明している.
問題の解答
極限の考え方で微分係数を求める問題となっている.本文ではlimの記号は§2で出てくるのだが,解答を簡潔にするために§1から使った.
主な定理・公式
曲線の点 における傾きは,以下の式で与えられる.
§2 導関数
§2では,微分係数と導関数の定義・接線・微分可能性について.
この本では,ε-δ論法による極限の厳密な定義は付録に回しているので,ここでは極限を直観的にとらえて計算する.
微分の定義式のlimの中身を「ニュートン商」と呼んでいるが,なかなかお目にかからない単語だった.調べてみると他にも「差分商」「フェルマーの差分商」ともいうようだ.
問題の解答
問題1~11では,具体的な多項式関数や分数関数の導関数・微分係数・接線の方程式を求める.
問題12~15は,の範囲によって表式が変わる関数(絶対値を外す場合分けも含む)について,左右の微分係数を比較して微分可能性を見極める問題.
本文の内容が理解できていれば,計算するだけで難しくはないと思う.
主な定理と公式
曲線の導関数の定義は,以下の式で与えられる.導関数を とも表記する.
曲線の点 における接線の方程式は,以下の通りである.
微分係数を求める際,微小量を正に限定したものを右微分係数,負に限定したものを右微分係数という.表記は以下の通り.
右微分係数: 左微分係数:
関数があるで微分係数が存在する条件は,
「で右微分係数と左微分係数が存在し,かつ両者が一致すること」である.




