第5章は,微分を用いて関数の極大値・極小値(もしあれば最大値・最小値)を求める方法を説明している.
§1 最大点と最小点の定理
§1では,臨界点、最大・最小、極大・極小といった用語を定義し,極大・極小となる点では微分係数が0であることを説明している.
臨界点という言葉はあまり聞かないが,微分係数が0になる点のことを指している.この本では今後もしばしば出てくる.
微分を使って関数の増減や最大・最小を考えるときには増減表がつきものだが,本の説明の順序に合わせ,増減表は§3以降の解答で使うようにした.
練習問題の解答
ラング「解析入門」 第5章§1(最大点と最小点の定理)の解答
問題10までは臨界点を求める問題なので,の解を求めればよい.
問題11以降は,表面積を拘束条件とする,立体の体積の最大値を求める問題.適宜未知数を置いて表面積の条件と体積を表し,体積から余計な文字を消去して微分に持ち込む.
主な定理と公式
- 微分係数が0となる点を臨界点という
- であるようなすべてのの集まりを開区間という
であるようなすべてのの集まりを閉区間という
一方の端点だけを含める区間(や)を半閉区間という - 関数が定義されているすべてのに対し,が成り立つとき,を最大点,を最大値という.不等号を反転させると最小点・最小値の定義になる.
- とする.区間のすべてのに対してが成り立つとき,を極大点(または局所的最大点),を極大値という.不等号を反転させると極小点(または局所的最小点)・極小値の定義になる.
を閉区間で連続な関数とすると,はこの閉区間の中で最大点と最小点をもつ.
を開区間で定義され微分可能な関数とし,をその開区間での極大点または極小点とする.このとき.
§2 最大点と最小点の定理
ここでは平均値の定理を証明する.練習問題はない.本文に,ロルの定理の証明の補充を練習するような記載があるが,正⇔負・最大⇔最小の入れ替えに過ぎないので省略した.
主な定理と公式
を閉区間で連続で,開区間で微分可能な関数とする.
さらに,とする.このとき,
となるような点が存在する.
を閉区間で連続で,開区間で微分可能な関数とする.このとき,
となるような点が存在する.
§3 増加・減少関数
平均値の定理の応用として,関数の増減判定,極大・極小の求め方,微分を使った不等式の証明,現実の問題への応用が一気に出てくる.平均値の定理は高校では数学IIIの内容だから,高校で文系だと,§2~3の内容は初めてだろう.
この本の用語の使い方として,増加と強増加を明確に区別している.解答では基本的に増加という用語を使い,特に必要な場合は強増加という単語を使った.
問題の解答
このあたりから計算が面倒な問題が混じってくる.特に問題26~27の三角形の問題は,例3の長方形の場合とは計算の面倒さはだいぶ違う.また,三角関数のマクローリン展開・零点の個数の上限・三角形の問題と,平均値の定理の応用の広がりを見られる。
主な定理と公式
がある区間において,その区間に属する任意の2点で,
- 常にならば増加,特に,常にならば強増加
- 常にならば減少,特に,常にならば強減少 という.
を閉区間で連続で,開区間で微分可能な関数とする.このとき,
- ならは定数
- ならは強増加
- ならは強減少




