§4は広義積分の項目である.積分に極限の考え方を取り入れることにより,
- ある$x$の値で関数は発散するが,不定積分は発散しない場合の積分計算
- 無限大で不定積分が収束するとき,積分範囲に無限のかなたを含める
こういったことができるようになるという話である.
また,関数の大小関係から,広義積分の収束を判定できること(定理5)も出てくる.定理の言わんとすることは当たり前といえば当たり前の話なのだが,不定積分を計算しなくても収束の判定だけならできるというのが利点.
練習問題の回答
前半は広義積分の定義をそのまま適用する計算問題.問題11はその延長で,1/$x^s$の広義積分の収束を場合分けして確認する.
問題9以降,定理5を使って収束を判定していく問題になる.丁寧な議論と計算が必要になり,少々面倒になってくる.
問題9~10は問題9のヒントを使うのだが,「そんな定数$c$が本当に存在するのか?」という疑問に答えるところから議論すべきだと思われるので,そういう解答にした.
問題12は,(a)は増減表を書いて終わりではなく,$x$→0の極限も丁寧に議論.
(b)は,$f(x)$の有界性を使って被積分関数の不等式を作り,定理5に持ち込めばよいと,空気を読むところ.問題11も活用すれば計算も省略可能.
(c)は,(a)→(b)の流れに沿う.$n$の偶奇による場合分けが新たに発生し,うっとうしい….



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